2013年04月16日

速すぎたチャーハン

私とだんなは学生時代同じベトナムレストランでバイトしていた。

私がホールでだんながキッチン。ディナーのキッチンはほぼ全員中華系マレーシア人。当然、中の会話は全て中国語。なんだかいつも楽しそうに話していた。当時まだ中国語がそこまでできなかった私は、たまに混ざる日本語の単語を聞きながら、あぁ、今日もゲームの話をしているな、とか思っていた。

そんなゲーム大好きな彼らだが、仕事は速い。いや、速すぎる。
コースの注文が入ろうものなら、オーダーを伝えた瞬間、前菜の生春巻きがバーカウンター宜しく滑るように出てき、奥ではもう他の料理の調理が始まっている。

とりあえず出てくるがまま、どんどん料理を運ぶ。あっという間に飽和状態になるテーブル。
そして案の定、料理が出てくるのが速すぎると客に怒られる。
そりゃそうだろうよ。私もそう思いながら運んでたよ。
客にすいませんと謝り、キッチンに速ぇよと伝える。
しかしマレーシア人たちは
「さっさと食えぇ〜!!」
とか言いながらゲラゲラ笑っている。
これで割と人気のレストランだっていうんだから、肛門が緩む。

だみだこりゃ!!

まぁ、それで多少はペースダウンするのだが、出てしまった料理は下げられないので、客は冷める前に食わねばと必死の形相で早食い。
ごめんね。

単品も同じように速く、特にだんなの兄のチャーハンを作るスピードは異常。
どのくらい早いかっていうと、オーダーを伝えにデシャップ(キッチンとホールをつなぐ窓口。料理が出てくるところ)に行くと、もう既にチャーハンがそこにあって、「チャーハンでしょ。できてるよ」とか言ってくる。
客が私に話している声を聞き取り、先回りして作ってるのね。
そのスピードたるや、正にチャーハンの鬼。
あまりに速すぎて、客に「これ本当に今作ったやつですか」と疑われるほど。

そんなある日。
開店して間もなくの時間で、客は一組だけ。オーダーを取る。お客が「チャーハンとー」と言うと、案の定キッチンから「炒飯!」という中国語と鍋を振る音が聞こえてきた。
あ、また高速炒飯やってる。

やる気があるわけでもないのに相変わらず速ぇな、とか思いながら引き続きオーダーを聞いていたら、
「あ、やっぱチャーハンやめてー」
とお客さん。

その瞬間、キッチンから中華鍋にお玉を勢いよく放る、カラン!という音と伴に「鸡白!!(くそったれが!)」「妈的!!(ちくしょう!)」などの激しい罵りが聞こえてくる。

だから速ぇんだよ。

笑いたい気持ちをこらえてチャーハンの鬼の元へオーダーを伝えに行くと、鬼は厨房の奥で米袋の上に腰掛け、先ほどの速すぎたチャーハンを静かに食べていた。

でかい体を丸めて食べてるその姿が、なんだかじわじわ面白くて未だに思い出す。

思えばあれが初めて外国人と働いた経験だった。
みんなが面白かったせいで、外国人と仕事をするのは楽しいんだと騙された私は、その後某外人主導の職場に就職してから数々の地獄を見る羽目になるんだけど…(遠い目)

その話は、またいつか




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posted by しゃちま at 00:01| Comment(2) | TrackBack(0) | だんな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、マルチリンガル育児つながりで、時々読ませていただいています。

めちゃめちゃ笑ってしまいました!速すぎたチャーハン。厨房での悪態で吹き出しました。

いつも笑わしてくれるネタが満載で、今日はどんな笑いがあるかなと楽しみに読んでいます。その後左足の小指の経過はいかがでしょうか・・・ただ打っただけでも痛いのに、骨折はさぞかし痛かろうと察します。どうぞお大事に!
Posted by haribo at 2013年04月21日 15:17
hariboさん
お越しいただきありがとうございます。
お陰様でネタに尽きない日々を送ってます。

小指は良くなってきましたが、引きこもり生活の二次被害で順調に肥えてきてます。

hariboさんはドイツ語でマルチリンガル教育されてるんですね!
うちと違っていろいろやられていて感心しきりです。
リンク貼らせていただきました。これからも参考にさせてください。

Posted by しゃちま at 2013年04月23日 13:39
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